農業者紹介

荒牧 博幸養鶏
今からは自分で値段をつけて売らにゃあ先はねえ
かつて卵の販売は、餌屋さんが行っており、餌をもってきて卵を持っていくというのが普通でした。
養鶏所では卵を売るだけで、相場も全農が決めていました。


生産者が儲かるような仕組みではなかったので、これでは先がないと感じていた博幸さんは、毎日どうしたらいいか悩んでいました。


なんとか自分で作ったものは、自分で値段をつけて売らなければならない。

なんとか差別化できるようにできないだろうか!

ビタミンEが豊富な卵を作ろう
ある時、畜産関係の薬品メーカーの人と話している時にいいアイディアがないかと相談したところ、ビタミンEが美容と健康にいいと提案してくれて、ビタミンEを多く含む卵を作ることにしました。

差別化できるいい卵ができました。
これを自分で売りに行こう。

その頃、10件くらいの養鶏所があり、自分で頭を下げて売りに行っている博幸さんをみて、よほど経営が苦しいのだろうと笑っていたそうです。

営業に持っていく30個入った箱入りの卵を作りました。

このアイディアが評価され、大手の卵を置いているようなスーパーや市場にも納品してもらえるようになりました。

最初は10杯、それが50杯になり、70杯になり・・・
どんどん売り上げが上がっていきました。

また、ゴルフ場にも置いてもらい、現在もずっとあちこちのゴルフ場でこのパッケージが販売されています。

ビタミンEの豊富な「地黄卵」は、栄養機能食品として認められている適正卵です。

伊藤忠商事にオリジナルの餌を作ってもらっており、主原料はとうもろこし、米、大豆、トウモロコシの皮などの植物です。
更に、卵を産むためには動物性たんぱく質が豊富に必要なので、フェザーミール(鳥の羽)を粉にしたり、魚粉や鳥の骨などを与えています。

地黄卵を1日1個食べればビタミンEは120%摂取できます。
私がやってきたことは間違いではなかった!
約30年前、32、3歳の頃いち早く始めたビタミンE入りの特殊卵の生産は、順風満帆なわけではありませんでした。

餌の値段が高騰し経営が苦しくなった時に、もう普通の卵にしようかと考えたこともありましたが、普通の卵を作っても買いたたかれて今の何分の一にも売り上げが下がり余計に経営は悪化すると考え、踏ん張って乗り越えました。

ビタミンEは健康にも美容にも良いとテレビでも取り上げられることも多く、そのたびに続けていてよかったと思うのです。

九州で一番に始めたビタミンE入りの特殊卵。
3~4年するとどんどん同じような特殊卵も増えてきて価格競争になってきました。

全農もビタミンE入りの卵を価格を下げて販売するようになり、今まで置いてくれていたサニーからも注文が来なくなりました。

ところが3か月後、普通ではありえないことが起きました。
またサニーから納品してほしいと連絡がありました。
消費者のニーズに合ったのか、高くても正直な卵を求めてくれているんだと思いました。

そして長年続けているノウハウや実績があるので、後発の特殊卵が出てきてもあまり揺るぐこともなくなってきました。

今では、福岡だけでなく宮崎や鹿児島まで販路も広がり、年間通してほぼ平均して卵が売れています。

スーパーへ出荷するために新たに6個入りのパッケージを作りました。
その分、箱の個数は増えてコストは上がりましたが、売れ行きは悪くありません。

博幸さんの作っている「地黄卵」は、長い年月の努力と継続によって宮若ブランドとして確立しました。

将来は、まだ見えないけれど自分なりになにかしてみたいという気持ちがあるという息子さん。

いろいろな発想で乗り越えてきた博幸さんの事業にも、更に新たな旋風が巻き起こるかもしれません。

ホームページもあります
福岡・宮若たまごの里地黄卵 Jiouran 上から地黄卵の注文もできます。

見学に来てください
宮若市山口2533-1
Telephone:0949-52-2905