農業者紹介

安田 克徳水稲/花卉/花木/注連飾り
やっぱり、山が好きなんですよ。
結婚して約34年。夫婦そろって好きな花の仕事をしながら、お互いに助け合ってきました。
山で作業する克徳さんの傍らに、その両親と3人の子供たち、そして従業員の方たち。そこにいつも笑顔の奥さん節子さんがいるとその場が明るくなります。

節子さんの支えがなければ、ここまでこられませんでした。

いろいろな苦労はありますが、やはり山が好きという想いがここでの暮らしを豊かにしています。
山が好き。注文された花木を採集したときの達成感が好き。喜んでくれる人の笑顔が好き。

克徳さんの会社には、喜ばれて仕事をしている充実感があふれていました。
将来の構想
家の裏山にも、たくさんの花木が植えられています。春になると色とりどりの花々が咲き乱れ、山全体が花畑になります。

桜や梅、桃、山茱萸 (さんしゅゆ)・・・

そして、蛍のシーズンには、川からあふれ飛ぶ蛍を見ることができます。

この景色をたくさんの人に見てもらいたいと、将来的には観光地としての開発も考えています。

現在、この山に住んでいる約10件の世帯は高齢者ばかり。20年もすれば無人の山になるかもしれません。

そうなると寂しいので、山に住まなくても、町から山に働きに来て町に帰っていくという循環を作りたい。
山で収入を上げて働ける環境を作れると、山がにぎやかになります。

克徳さんは、節子さんと二人で夢をひとつひとつかなえてきました。そして、これからは、息子さんがもっと大きな夢をかなえてくれるかもしれません。
災害とも共存
近年、特に鹿やイノシシの被害が増えています。罠にかかった鹿は、猟友会の方に引き取ってもらいますが、その数は、年間約80~90頭。捕獲した鹿の角が軒先につるされていました。
アレンジメントをしている奥さんの実家も花木を扱っている農家でした。高齢化で荒れた畑を、今では息子さんが整備してくれています。
跡継ぎがいるという幸せ
なかなか若い人が参入してくる業界ではないので、実際には人手が足りない状態です。
新しく人を育てるとき、花や枝の状態をみて使えるかどうかを見極める目を養い、技術を覚えるのに約3年かかります。

何年も修行してやっと一人前に目利きができるようになるのです。

息子さんは、東京でホテルの装飾の勉強をしてきました。今後は、ただ市場に出荷するだけでなく、花木を装飾するところまで一貫して行えるようになることにも期待ができます。

好きな花木の仕事でもある程度の収入があがっていなければ、子供はやりたいと思ってくれません。子供が一緒にやりたいと思ってくれるような背中を見せることも親としての務めなのです。

後継者がいなければ、会社を大きくする意欲はあまりなかったかもしれません。
出荷は、週に3回。この山のあちこちにいろいろな花木が植えられていて、用途や要望に応じて、収穫しています。
一年に一度しか需要がないものでも、お客さんから頼まれれば準備しようと思ってしまうそうです。
これは、お正月のしめ縄になる藁です。
過去には雨による被害もありました。
平成11年と21年にも大きな水害があり、あふれた川の水は作業場にまで流れ込んできたそうです。

山が崩れるまではなかったけれど、もし山が少々崩れても、山の形が変わったくらいでそこにまた新しく植えればいい、という克徳さん。

いろいろな品目の花木を作っているため、災害が起きた時にも強いという利点はあるそうです。

鹿や災害とも共存していかなければいけませんが、自然に囲まれて生活しているせいか、ドンと構えているところがすごいですね。
見学に来てください
宮若市三ケ畑1724
Telephone: 0949-54-0547